オタクは歯が命。10年ぶりに歯医者に行ってみた。その1
歯医者って怖い。
小学生の頃の記憶。
なぜか舌から大出血した気がする。
歯につめられた苦い薬をペロッとなめてしまって悶絶した気がする。
なぜかペンチで歯を引っこ抜かれた気がする。
仮の詰め物はお会計を済ませて歯医者の出口を出たあたりでなぜかもこもこ盛り上がってぼろぼろ崩れて家につくころにはなくなっていた気がする。
そして次に来院すると「なんで詰め物無くなってるの?」と怒られた気がする。
なにも悪いことはしていないのに先生には毎回怒られていた気がする。
先生はおじいちゃんで素手で口の中に指を突っ込まれて滅茶苦茶苦痛だった気がする。
歯科衛生士のお姉さんだけは優しくてきれいで、それだけが救いだった気がする。
いや、気がするのではなく事実だと思う。昔の歯医者ってそんな感じだった。
(あくまで私の記憶)
痛みを抑えるための注射なのに泣くほど痛いし、あのキュイイイイイイイイイイインンンっていう音をきくと、あのときの記憶が蘇って頭痛嘔気眩暈耳鳴振戦恐怖不眠。まるでアルコール依存症の離脱症状を呈したみたいになるんです。(大げさに言ってみました)
10年前に勇気を出して行った歯医者さん。そのときはど田舎に住んでいたので町には歯医者さんは2件しかありませんでした。
お洒落でなんだかハイカラな一件目に電話してみましたが、「新規の予約はとっていません」と断られてしまった。
仕方なく、まさにあばら家というにふさわしい、たとえば寂れた漁村によくある(?)物置みたいなもう一件の歯医者さんに電話してみる。
「今すぐきていいよ」
お、なんて仕事熱心な先生だ。田舎だけど小さいわけではない町で2件しかない歯医者、生き残っているということはきっと大丈夫、きっと大丈夫、キットだいじょうb・・・
言い聞かせて来院すると、さっそくレントゲンを撮ってくれた。
「今日ちょっと暑いから時間かかるかな。待っててね」
レントゲンて暑さに依存するんか!!初めて知った。
その当時看護学生だった私は思わぬ学びを得た。
そして30分(!)程待って、先生がキャラメルサイズのめちゃくちゃ小さいレントゲンを見せてくれた。
「結構な虫歯だねえ・・・痛かったでしょ?」
(真っ黒でなんにもわからないんだけど・・・)
「んーー抜歯しなきゃだめだねえ、よくここまで痛みに耐えたね。がんばったねはは」
えええええ!!!???
ちょっと痛い程度だよ!?そこまで深いところまで虫歯なはずない!これはやばい!歯を抜かれて売られて金歯にされて入れ歯つくられる!!(?)
そこから先は覚えていませんが、激しい恐怖感に襲われた私はなんだかうまく理由をつけて逃げ帰ったと思います。お金は払ったと思います。
続く